ヨガやフィットネスのレッスンなどで、「肩を下げてー!」などとインストラクターさんに声がけされる事があります。

人体で最大の急所と言われる「のど」を守るため、緊張すると知らず知らずのうちに肩をすくめ、喉周りを守るような姿勢をついとってしまいがち。

それは本来、人間の持つ本能。原始時代、敵から「身を守る」ために必要な反応でした。現代では「敵から身を守る」ために喉を守る必要はなくなりましたが、その反応だけが体に残っているのです。

そのため、緊張したりすると、顕著に肩が上がってしまい、喉を守る姿勢に。

ヨガやフィットネスなどのインストラクターさんの「肩を下げてー!」と言う声がけは、「緊張を解いて、肩を楽にしてー!」と言うような意味のことがほとんどです。

ただこの声がけ、「もともと肩が下がっている方」にはかえって肩周りを痛めてしまうもの。

「えっ? 肩って下がってるほうがいいのでは?」と思われるかもしれません。

肩は下がっていたほうが良い場合もありますが、もっと上げたほうが良い場合もあるのです。目安は、首の一番下の骨と肩先の高さがほぼ同じ高さ。

 

更に、横から見たとき、肩の真上に耳たぶが来ることが望ましい。肩先よりも前に耳たぶが来ていると、頚部、肩、上背部の疼痛の原因となったり、また、胸腔を圧迫するため、呼吸が浅くなる傾向にあります。

 

また、腕の重さに肩周りの筋肉が負けて前に、そして下に肩が「引っ張られて」いる状態。

この場合、原因は「肩周りの筋力の低下」。特に、後ろに引くための筋肉の弱化と、後ろ側に比べて強すぎる胸筋群のアンバランスにあります。

 

 

修正エクササイズ

壁でニュートラルポジションを取った後、肩の後ろ側が壁から離れてしまっていたら、要注意。肩周りの筋肉の均衡が崩れてしまっている状態と言えます。

*ニュートラルポジション:

 

をご参照ください。

 

肩周りの均衡が崩れてしまうと、

  • 大胸筋などの肩の前側の筋肉が短縮して緊張傾向に。
  • 反対に、僧帽筋などの肩の後ろ側の筋肉は長く弛緩している傾向

にあります。

 

このまま肩の後ろ側を壁につけることは解剖学的に肩周りの組織に負担をかけてしまうため、一度肩を真上に引き上げてから壁につけるようにしましょう。

この時、反動で首や頭が前に行ってしまいがちです。後頭骨をしっかりと壁につけ、1㎜も動かさないようにすることが肝心。
*後頭骨:頭蓋骨のひとつで、頭蓋の中で、後方に盛り上がっているあたりより下の部分をつくっている。(1年生の解剖学辞典『後頭骨』より)

 

肩をあげたまま壁につけたら、肩の後ろ側と壁との接地面を1㎜も変えないように(壁から肩を離さないように)して、わずかに肩を下げます。(「壁ドン」ならぬ「肩ドン」されているような感じです。)

そう。ここで初めて「肩を下げる」動作に入るのです。

 

今日のポイント

  • 肩を上げすぎない。
  • 壁を使って、お尻・背中側の肋骨・後頭骨をつける
  • 肩を上げてそのまま肩をかべにつける。
  • 肩を壁につけたまま下げる。(横から見たとき耳たぶの下に肩先が来るようにする。)
  • 顎は上げないで、第一頚椎を壁につけるようにする。

 

腕の重さに負けない、整った筋力を養っていきましょう。生活の質が変わってくるかもしれません。

あなたの日常が、更に輝いたものとなりますように。

ありがとうございました。