はるか昔、人間が四足歩方を捨て、二足歩行になったことで、体へのあらゆる不調に悩まされるようになりました。
肩こり・首こりもその一つ。
チンパンジーなどの四足歩行の動物は、「前足」でも体重を支えているため、肩周りや腕の筋肉が強く発達しています。
また、前を見て獲物を狙い、硬いものを噛み砕くために首周りの筋肉も強い。人間はこれらの筋肉が弱くなっており、手に体重をかけて活動する機会がめっきり減ったため、肩周りだけでなく、首・腰の筋肉までが弱くなってしまいました。
肩こり、首こり解消には「四つんばいで歩く」ことがおすすめ。首、肩周りの血行が促進されたて筋肉も鍛えられます。
直立すると、約5kgの頭部、約8kgの両腕を肩周りの筋肉で支える必要があるため、「四つんばい」で体を支持し、肩・首・腕の筋肉を鍛えることが大切です。
が。
普段の生活の中では、四つんばいの姿勢をとる機会は「雑巾がけ」位しかないのではないでしょうか。
素晴らしい効果のある「雑巾がけ」ですが、私のような「横着」な者は、必殺「モップ」や「ワイパー」で雑巾がけをしているので、「四つんばい」にはあまりなじみがありません。
そこで「スポーツサイクル」(スポーツタイプの自転車)の登場です。「日常に、気軽に」四つんばいの効果を引き出す優れたツールとなってくれます。
「腕の力を強くするためには、逆立ちが一番。」
以前出席した「姿勢セミナー」の講師をされていた兼子ただし氏が仰っていました。
*兼子ただし: 日本で初めて「ストレッチ専門店」を開業させたカリスマ・ドSトレーナー 、ストレッチトレーナー 姿勢教育・姿勢研究家 プロキックボクシング 日本フェザー級2位
国内2位の方には「逆立ち」は丁度よいトレーニングかもしれませんが、「選手並」の体力や筋力のない方にとっては、「スポーツサイクル」が丁度良いトレーニングになってくれます。
「ツライ」腕立てを数十回、毎日行うよりも、気軽に行え、「長時間の有酸素運動」になる。何より、「ながらエクサ」を可能にしてくれます。
ポイント
1、「腕立てしながら」のイメージで。
- 鎖骨を真一文字にしましょう。
- 肩甲骨は寄せないように気をつけます。
- 肩甲骨の内側から脊柱にかけて着いている「菱形筋」(りょうけいきん)を長く伸ばすようにしましょう。
*肩甲骨同士が近づいて菱形筋が短縮(短くなって)しまうと、肩にダイレクトに体重がかかり、多大な負担をかけてしまいます。
菱形筋は左右に引き伸ばしたまま腕を伸ばしてハンドルを掴みましょう。
- 肘はわずかに外向きに曲げておきます。
- ハンドルと肩先を結んだ線は平行になるようにしましょう。
- 僧帽筋は下げておきます。
- 肩の外側にボールがあることをイメージしてそのボールを真横に押しましょう。
- ピシッと腕の骨を肩関節にはめ込みます。
- 上腕骨頭(腕の骨の尖端、肩に近い部分)は横から見たら脊柱よりも前にも後ろにも来ないようにしましょう。胸の筋肉と背中の筋肉が横に同じ長さに引き伸ばしておきます。
2、お腹の力を使って上半身を整えます。
- 尾てい骨から頭頂部までを弧を描くように丸くしましょう。
- 腹筋を使って、お腹をへこませ、上半身を強くします。
- お腹に力を入れても、肩が上がらないようにしましょう。
3、首のアライメントを整える。
- 前にいる「獲物」に集中して前方を見ます。
スポーツサイクルに乗って「前を見る」姿勢は、首の後ろの皮膚が縮まり、顎が上がった、いわゆる「カックン」と首が曲がってしまう姿勢になりがちです。
首ががってしまうと、その部位に負担がかかり、かえって首・肩などのコリの原因になってしまいます。できるだけ、首の後ろ側の皮膚は伸ばしておきましょう。
「遠くを見る」「長距離を歩くための長い脚」など、二足歩行になってあらゆるものを得ましたが、反面肩こり・首こり、腰痛、膝痛、内部疾患など、様々な障害も増えてしまいました。
二足歩行の宿命と受けとめ、それら障害に負けず、整えていきましょう。
お読みくださり、ありがとうございました。



