昨今、「奨学金貧乏」などという言葉が取りざたされ、奨学金を返還することがかなりの負担となっている現実が浮き彫りにされてきました。

それは、大学生の約半数が「奨学金利用」と言われるほどポピュラーに。

 

奨学金制度は大きく分けて2つある。将来、返済の必要がない給付型奨学金と、卒業後返済が必要な貸与型奨学金
貸与型奨学金制度の中心は国の制度。国の奨学金制度を運営している、日本学生支援機構(JASSO)の調査によると、
2015年にJASSOの奨学金を受けとっている学生は2.6人に1人になるという。大学独自の制度も加えると、おそらく今は大学生の2人に1人が奨学金を利用していることになる。

(PRESIDENT Online『奨学金地獄は本当だった』)

 

これだけポピュラーになった奨学金ですが、将来のビジョンをしっかりと持たないと、「奨学金貧乏」となり、将来「結婚したくてもできない」方や完済するまでに30~40年かかる方も。しっかりと計画を立てなければなりません。

 

 

「奨学金貧乏」にならないために

 

1、その学校、「借金」してまで行きたいですか?学校の選び方

大手私立大の入試担当者によると、

「入学してくるのは、奨学金合格者として発表したうちの1割ぐらい」

(PRESIDENT Online『奨学金地獄は本当だった! 学生の2人に1人が借金の現実』)

現実には、第一志望を蹴ってまで返済義務のない「奨学金」がでる大学に進む例は少数派、と言えます。

「せっかく合格した第一志望」、借金してでも通いたい、という願望はもっともです。卒業した大学名で就職にダイレクトに影響する、ということも事実。

大学名で就職にダイレクトに影響:今はインターネットでの出願がメインのため、志望者が殺到しやすく、そのため、企業側もまずは「大学名」からの選考をせざるを得ない。

ですが、経済的に全く不安要素のない場合は別として、一考の価値はあるのかな、とも思えます。

 

大学受験ではありませんが、長男が中学受験をした際、ほんのまぐれで第一志望が合格。本人は「ここに行きたい」との思いもあり、「奨学金の出る学校」を辞退して第一志望の学校へ入学しました。

ぶっちゃけなはなし、「ただ同然」の公立中学、という選択肢もあった。思春期もまだ来ていない素直な子どもだったこともあり、親としては当然のごとく第一志望校へと入学手続きをしてしまいました。

そう。「してしまった」のです。

中学に入学後、思春期が始まり、親の言うことなぞどこ吹く風。勉強の「べ」の字すらほのかにも見えない。「公立中学でよかったんじゃね?」な感じです。

学校ライフを満喫しているのならまだしも、高等部に入ってから、「学校行くのめんどい~。さぼっていい~?」などとほざく始末。

「学費が家計を逼迫してホントすみません。」とは言いつつも、「学費分しっかり勉学を身につける」とは程遠い状態。意識の低さ、と言ってしまえばそれまでですが、そこまでしていく学校ではなかったかも、と思えてなりません。

 

「特待生」枠で入学できる学校を検討してみる。

と言うことも、時には必要かと、感じます。

最近、増えているのが予約型の給付奨学金制度だ。入学を希望する大学の書類審査を受けて受給資格者になり、合格して入学すると奨学金がもらえる。

もちろん、保護者の年収制限はあるが、入試の成績は関係ない。受給資格を得られれば、安心して受験勉強に打ち込めることになる。
(PRESIDENT Online『奨学金地獄は本当だった』)

大学受験をする上で、その学校の「奨学金制度」を調査、検討することがとても大切です。

 

 

2、その「場」で何をしたいですか?学生の意識

 

やる気のなかった大学生300人を感動、本気にさせた伝説のスピーチ 
.2017/04/26 に公開
渋谷文武公式Youtubeチャンネル
3時間で300席が満席になった伝説の講義を再現。
単位制の大学講義で、他大学・他学部の学生ももぐりこみ、300名が集まる。やる気のなかった学生たちが本気になった講義とは?

「1万円札をシュレッダーにかける」というショッキングな「音」から始まるこの動画、このときからすでに学生の興味を惹くことに成功しています。こうしたある意味「ショッキングな演出」をし、この位の「伝説の人物」でないと、学生の「やる気」を引き出すことは難しいのでしょうか。

「1万円をシュレッダーにかける。実はこれは皆さんが日常的にやっていることです。」

そういわれて初めて、

  • 時間」の大切さ
  • 大学の講義」の貴重さ
  • 大学の施設を利用する」メリット
  • 就職の斡旋
  • その他もろもろの「大学生活で享受できる価値

のすごさに気づかされる。

確かに、「単位とって卒業して、まともに就職できるまでの時間稼ぎ」として授業に出席している学生は多い。教科によっては「ただなんとなくいる」だけでも単位が取れたりすることもあります。

その時間の使い方、大学で受けられるすべてを使い倒すくらいの意識があるのとないのとでは、全く違う。もしこれが、「借金」してまでも入学した大学だった場合、そこまでする必要があったのか、社会人になったとき、大いに疑問に感じることがあるかもしれません。

その大学を卒業したからこそ享受できることもあるでしょう。

それは、「借金」の上に成り立っている、と言うことを学生のうちから、強く意識することが大切です。

 

 

 

3、そこまでして通う価値のある学校ですか?将来のビジョンを持つ、計画性を持つ

 

  • その「借金」はいつ完済できますか?
  • 結婚や子育てはどうしますか?

 

子どもを育てる場合、子どもが生まれてからすぐに「育英資金」をためることが大切です。万が一の場合に備えて、親がなくなった場合でも大学に行くことができるようにしておく。

これはあくまでも理想論かもしれませんが、「自分の奨学金の返済がまだ完済していない状態」である場合、「子どものための資金」を調達することは難しい。

 

更に、夫婦そろって奨学金の返済が残っている場合、まさに「奨学金貧乏」へと真っ直ぐに行ってしまいます。
それを恐れて「結婚に躊躇する」という方も。

全額を返還するまでに、卒業後何年もかかり、それはそのまま「婚期の遅れ」にもダイレクトに繋がる。更に少子化にもかなり貢献(?)している。

 

そこまでして通う価値のある学校であるのか、一考の余地はあるかもしれません。

 

 

 

4、卒業後に望んだのは、どんな生活ですか?安易に「奨学金」に手を出さないようにする

これは「借金」です。いわゆる「カードローン」と同じようなもの。有利子のものと無利子のものがありますが、たとえ無利子だったとしても、返すまでに何年もかかる。賢く使えば、ポイントがつくだけクレジットカードの方が「お得」なのかもしれません。

 

「借金」である以上、「ご利用は計画的に」が合言葉です。

貸与型奨学金を利用した場合の、卒業後の生活をイメージしてみましょう。

大学生である4年間で月5万円の奨学金を貰うとすると、合計240万円

月1万5千円で返済していくと、完済までに14年です。

22歳で働き始めて36歳で完済ということですね。

返済額を増やせば良いと考えるかもしれません。

ただ、大卒の新社会人がもらえる手取りは平均して17万円

光熱費や携帯料金、家賃や交際費といった支出の平均は14万円

返済額を倍の月3万円にすると、

引越しや入院といった万が一の貯金が全くできなくなります。

そんな新卒の生活は悲惨です。

飲み屋をハシゴどころが、日々の食事にすら悩む日々。

結婚願望はあるものの、奨学金の返済のために結納や披露宴の資金が用意できない。

プロポーズのためのディナーや指輪すら買えない。

少子化に拍車がかかるのもムリはありません。

今の40代や50代がイメージするような生活なんて不可能なのです。

(在宅ワークでセミリタイア 『20代貧乏が急増!結婚すらできなくなる奨学金貧乏とは!?』より)

「奨学金」と言う甘い罠の後の生活がイメージできたでしょうか?

卒業後に望んだのは、どんな生活ですか?

 

 

 

5、今できることを頑張ることは、未来の自分へのプレゼント。「できる人はお金がかからない」と強くイメージする

某有名国立大学に通うお子さんの話です。とても優秀で、公立中学では3年間常に学年トップ。幼稚園から始めたスポーツは全国大会に出場するほどのレベル。

「できるお子さんは何をやってもできる」を、地で行っているようなお嬢さんです。打ち込んでいたスポーツは高校3年の5月に引退するまでずっと「ガチ」で頑張っていらして、そこからの大学受験準備。

たった数ヶ月で超有名国立大の「合格」を手にしてしまいました。が。その方曰く、「すっごいギリギリ。下から2~3番目くらいで合格した。」それでも周りは「すごいな」の一言に尽きます。

そんな優秀ななお嬢さんも、「大学ではできる人ばっかりだから、ずっとビリのほうだろ~な~。」と思っていたところ、何と「特待生」に選ばれました。

ただでさえ国立の良心的な学費が一部返還。国立大に返還制度などあると初めて知りました。

「うわ。できる人って、なんて経済的!」

思えば「塾」も「私立の学校」も、宣伝のために「できる人」の月謝は驚くほど安くなるところもあります。
宣伝:○○学校(大学)△名合格!の数字がそのまま宣伝となるため、「できる人」を多く入塾、入学させる傾向にある。

 

東大に通うお子さんで、やはり優秀なため、大学からの資金だけで海外に行った方もいるほど。

ホント、「できる人」ほどお金がかからない。

 

ではそこまで優秀ではない「一般人」はどうしたら「できるだけお金をかけないで」済むのでしょうか?

先ほどの「学生の意識」の項でもお伝えしましたが、「ガチ」で勉学にいそしんでいる学生はかなり少数派。その日やったことをきちんと消化するだけで、勉強すればすぐに「特待生」になれると前出の「特待生」になられた方はいっています。

超有名国立大学でもこのような現状。たとえ「給付型の奨学金の枠に入れなかった大学」に進学した後でも決して遅いことはないのです。

 

大学に入ってからバイトだと思って1日に3時間の勉強」をするだけで、周りとの差はかなり開いていくことでしょう。実際には、1日に3時間も勉強しなくても「特待生」になれるはずです。

逆に、学校がある平日に3時間、学校のない週末や夏休みなどの長期休暇などに5~10時間勉強することで、「憧れの資格」が取得できたり、「留学準備」のための基礎学力なんかもついてくるかもしれません。

 

「今できることを頑張ることは、未来の自分へのプレゼント。」

 

例えば、アルバイトをしたとして、1日に3時間、月に20日間、、自給1000円、として1年で72万円。夏休みも頑張って働いたとしても、「税金」を考えた場合、「学費」に近づくことは難しいでしょう。

これ、「遊び」の時間や、先ほどの「資格取得」「留学準備」など、自分の価値の上がる時間はは全く入っていない計算です。

しかも、これは「一般的な学部・学科」の場合。「更にお金のかかる」技術系、美術系、医療系などは、どんなに頑張って「バイト」したところで、1年で稼ぐことは遠く及びません

 

それほどまでに、「勉強」には価値がある。

 

頑張って『特待生』になったら、学費の半分の額をバイト代としてお小遣いであげる」などとしたほうが、親御さんのためにも、お子さんのためにも、お互いにWINWINであることは否めません。

 

  • 「学生時代」に何を得るのか。
  • 何を目標とするのか。
  • 卒業後、どんなことを成し遂げたいのか。
  • そのために、学生のうちにどんなことをしておく必要があるのか。

まだおぼろげでも構いません。それは、日々真摯に「勉強」していくことで見えてくることもあります。

ただ「なんとなく大学に籍を置いている」「遊ぶためにバイトする」ことが、将来どんなに自分を苦しめるのか、見えている人は強い。

 

 

6、それをいつ、実行しますか?10000時間のビジョンを持つ

ブログ村。日々素晴らしい「作品」が生み出されている場。読むたびにいろんな勉強をさせていただいております。
中でも勝手に敬愛しております、calisthenics-yogaの「井手宏幸」様。先日拝見させていただいた『底辺から抜け出る』 はとても納得させられました。

その関連動画を一つ。

 

『時給10倍差は勉強と努力だけで差がつく★最大100倍差!』

 

時給800円の世界に身をおくか、時給8万円の世界を目指すか。どのポジションに自分をおきたいのかを考える。これは非常に重要。
何も「時給8万円」などという「夢」を見ることを万人におすすめしているわけではありません。大切なのは、「自分の価値をどの程度に置くのか」と言うビジョンを持つこと。

10000時間でマスター。とはいろんなところで聞きます。10000時間学んだこと、実践したこと、身につけたことによってギアが変わっていく。

 

20年ほど前、「1000時間ヒアリングマラソン」(アルク)というものを聞いていたことがありました。1日3時間、365日で1095時間。頑張ったのですが、半年くらいで断念。およそ500時間ほど。

その程度の時間では、「はじめに比べれば、なんかいい線までいったんだけど、まだまだ全っ然なんだよな~。」といったところ。

留学やら仕事やらで「必要」と言うわけでもなく、「英語が聞けたらい~な~。」位のごくごく弱いモチベーションだったこともあり、あっけなく散ってしまいました。

 

1日3時間を10年間頑張れば10000時間になります。「それはギアも変わるでしょ。」と言うのが正直な感想。そこまでのことをすれば、「時給も変わるだろうな~」と漠然ながら感じます。

強いモチベーションを持ったとき、ギアが変わる可能性が出てくる。

それをいつ、実行しますか?

 

 

7、巨人の肩に乗せて、遠くを見せる。子どもにどう伝えるか。

その子によって効果的な伝え方は様々。「一番効果的な伝え方」を見極める必要があります。まずは「親」が将来のビジョンをしっかりと持ち、それを効果的に子どもに「伝える」。これが一番大切な、親の役割かもしれません。

 

巨人の肩に乗せて、遠くを見せる。

 

 

まとめ

「貸与型奨学金」利用者はいまや大学生の約半数。私が学生だった頃、「奨学金」は今ほど一般的ではありませんでした。時代は変わった、と言わざるを得ません。

私立高校の最初の保護者会では、「進路」についてが主な内容。対して、都立の最初の保護者会では、「学費について」。「滞納しないようにお願いします。」との「切実なる願い」のような態でのお話。

「そんなに多いんだ。」と、漠然と思ってしまいました。

高校の70%くらいが国公立。対して大学の国公立は20~30%ほど。少子化で「大学全入時代」と言われていても、熾烈な争いはこの先も激化する。

きちんとした「対策」なくして、「奨学金貧乏」を回避することは難しい。親も子も、高い意識が求められます。

 

 

その昔、学費の心配もなく、卒業させてくれた両親に深い感謝を込めて。
ありがとうございました。