以前、「インドへ行きたい!」と思っていたことがありました。結婚後にヨガをはじめ、私の中では「憧れのインド」だったのです。

アシュラムで生活し、サットヴァ的な食事、そこでインドのヨガやアーユルヴェーダの資格なんか取っちゃったりして。インドの医療も学んでみたいし。なあ~んて、今思うとかなり浮ついた気持ちでした。
*アシュラム:修行をする場所
*サットヴァ:心の3つの性質のひとつ。サットヴァ(純質) ラジャス(激質)タマス(惰質)

けれど現状として、家族を放って一人で旅行に行くこともできず、「いつかは!」「もしあと‘半年の命’とか言われたら、1ヶ月くらいインドに修行に行きたいな。」などと思ったり。

そんな時、「インドに行くためには、インドの神様たちが神様会議を開いて、‘あ、今度あいつ呼ぼう。’といって呼ばれる」と言うことを何かで読みました。

「あ、私まだ呼ばれていないんだなー。」と。そのときはなんとなくそのまま納得。「まだ日本でやることがあるよ。」と言われているような気がしました。

 

先日、インドへ行った事のない私のために、生徒さんが本を貸してくださいました。
•『ぢるぢる旅行記 インド編』(ねこぢる
•『深い河』(遠藤 周作

どちらもインドを訪れた際のかの地のことが書かれていました。

読んでみた正直な感想は、「とてもショッキングで、自分はありえないくらいの恵まれた国に生まれたんだ」と言うこと。想像以上の現状にかなりの衝撃を受けました。

今まで想像していたはるかに上回るアウトカーストの現状を、ただただ愕然とすることだけしかできない。
*アウトカースト:カースト制度(ヴァルナ・ジャーティ制)の外側にあって、インドのヒンドゥー教社会において差別されてきた人々。

 

いろんなインドの面がある。「あ、私、インド無理かも。」なんてちょっとくじけそうになりました。恥ずかしながら、もし行ったとしても、「うわべだけの綺麗な世界」だけしかいることができないような気もします。

 

我が家にはアトピーの子が2人います。4人の子どもたちのうちの半分。彼らは幼少期から成育医療センターでそれはそれは徹底した生活指導をされておりました。

  • 掃除しやすい部屋の配置にする。
  • 布団はミクロガードで覆う。
    *ミクロガード:防ダニ・防塵の枕カバーや掛布団カバー
  • 重度の子は1日3回入浴して全身に薬を塗る。
  • 食べ物を気をつける。
  • 旅行はホテルや旅館など限定。幼少期はキャンプなどはできない。

 

こんな生活をしていたら、とてもではありませんがインドはおろか、ほとんどの外国にはいけないのでは、と思ってしまいます。一人、それで防衛大志望をあきらめたそうな。
*防衛大:入試の折、「身体検査」が行われる。また、寮生活であり、厳しい規律のため、1日2回や3回の入浴は難しい。

 

「ところ変われば」とは言うけれど、おそらく彼らはインドでは生きてはいけなかったでしょう。

ちなみにこのアトピー二人組、どちらも生後まもなく、あるいは直後からアトピー以外の病気で入院しています。24時間、1週間ぶっ続けで点滴とか。保育器の中で心電図や脈拍などの機械に3週間くらい繋がれっぱなしとか。新生児用をはじめてみて、そのあまりの小ささに思わずおののいてしまいました。

 

「やっぱこの人たち、日本で産まれたからこそ今まで生きて来れたんだな~。」と言うのが正直な感想。そう思うと、「もう生きていてくれるだけでいいよ。」と言う境地になってしまいます。

もちろんインドでも医療は進んではいるとは思います。けれど、自分の立ち居地によって「受けられる医療」と「受けられない医療」があることを考えたとき、多くの日本人が「当たり前」のようにあらゆる医療が受けられることは、すごいことなのだな、と感じ入りました。

 

前出の遠藤周作が描いた『深い河』。一国の首相も、アウトカーストの方々も、死後同じ河に灰になって流される。深い、深い。その、すべてを受け入れる深い河に、死期を悟った人々は何を思い、死を求めてやってくるのでしょうか。

願わくば、安らかなる次の世を。

ありがとうございました。